【マーケティング手法 No.42】AISASモデル──検索と共有が生む購買の好循環を副業に活かす

| 難易度★★☆☆☆ | 効果の速さ中〜長期 | コスト低〜中 | 副業適合度★★★★☆ |
AISASモデル とは何か
AISASモデルとは、電通が2004年に提唱したインターネット時代の消費者行動モデルだ。
従来の「AIDMA(アイドマ)」が注目・興味・欲求・記憶・行動という5段階で購買を説明していたのに対し、AISASはデジタル行動に特有の「Search(検索)」と「Share(共有)」を組み込んだ点が最大の特徴である。
AISASの5ステップは次の通り。
Attention(注意)→ Interest(興味)→ Search(検索)→ Action(行動)→ Share(共有)
現代の消費者は商品やサービスを知ったとき、すぐに購入するのではなく、まずGoogleやSNSで検索・比較し、購入後には口コミやレビューとして体験を拡散する。
この「S→S(検索→共有)のループ」こそが、AISASモデルの核心であり、副業・個人ビジネスにとっても見逃せない設計思想だ。
たとえばあなたがオンライン講座を販売するとき、受講生が「AISASの5段階のどこにいるか」を把握できれば、打つべき施策が明確になる。
個人でも低コストで実践できる汎用性の高さが、副業マーケターに特に支持されている理由だ。
AISASモデル の5段階フレームワーク
| A ── Attention(注意・認知)消費者が商品・サービスの存在を初めて知る段階。SNS広告・インフルエンサー投稿・テレビCMなど、まず「目に入る」機会をつくることが起点となる。副業では、SNSのプロフィール最適化や発信頻度の向上がここに直結する。 | I ── Interest(興味・関心)認知した後、「もっと知りたい」という感情が芽生える段階。コンテンツの価値・世界観・ストーリーが重要になる。ブログ記事・Reels・YouTube Shortsなど、興味を深めるコンテンツが効果的だ。 |
| S ── Search(検索・比較)興味を持った消費者が自ら情報を調べる段階。Google検索・X(旧Twitter)検索・SNSのハッシュタグ検索など多様な経路がある。SEO対策・口コミ誘導・キーワード設計がここの勝負どころ。現代では「SNS検索」の比重が特に若年層で急増している。 | A ── Action(行動・購買)検索・比較を経て実際に購入・申し込み・登録などを行う段階。LP(ランディングページ)のUI/UX・価格・保証・限定性などが転換率を左右する。ここでの離脱を減らすことが収益直結の課題となる。 |
| S ── Share(共有・拡散)★ AISASの核心購買・体験後に感想・レビュー・口コミをSNSやブログで発信する段階。この「Share」が新たな「Attention」を生み出す循環こそがAISAS最大の特徴だ。レビュー促進・ハッシュタグ設計・UGC(ユーザー生成コンテンツ)の設計が副業でも即実践できる施策となる。 |
AISASモデル の実践ステップ4つ
AISASを機能させる最初の一手は、ターゲットが「どんな言葉で検索するか」を具体的にリストアップすることだ。Googleサジェスト・「関連する検索キーワード」・Yahoo!知恵袋・SNSのハッシュタグ検索を使い、最低20〜30のキーワードを収集する。副業なら自分のサービス名+「評判」「口コミ」「比較」「効果」などの複合ワードも必須で抑えること。
AISASの5段階それぞれに「役割の異なるコンテンツ」を用意することが肝要だ。Attention層にはリーチ重視のSNS投稿・Reels。Interest層には価値を伝えるブログ・YouTube。Search層にはSEO記事・比較コンテンツ・口コミページ。Action層にはLPや申し込みフォーム。Share層にはレビュー投稿を促すサンクスメール・特典設計を当てはめる。
Share(共有)は放置しても起きない。購入後のフォローアップメール・「#(ハッシュタグ)でシェアで特典プレゼント」などのインセンティブ設計・Googleビジネスプロフィールへのレビュー誘導など、能動的に「シェアが起きる導線」を作ることが不可欠だ。副業ではサンクスLINEやサンクスメールにひと言添えるだけでも効果がある。
AISASの5ステージのうち、どこで顧客が離れているかを数値で把握することが継続改善のカギだ。Google Analytics・SNSインサイト・メルマガ開封率・LP転換率などを段階ごとに確認し、最もボトルネックになっているステージに集中改善リソースを投下する。PDCAのサイクルを月1回以上回すことを習慣化しよう。
企業事例:AISASモデル の活用
UGC×検索最適化で「商品名+口コミ」を支配する戦略
ユニクロは「ヒートテック」「エアリズム」などの機能性アイテムを展開する際、Attention段階ではテレビCM・Instagram広告・インフルエンサーコラボでリーチを拡大。Interest段階ではアイテムの機能的メリットをコンテンツ化し、公式サイトや動画で訴求する。Search段階では「ヒートテック 口コミ」「エアリズム 効果」などの検索ワードに対して公式ページおよびレビューページが上位表示されるようSEO設計を徹底。Action段階ではオンラインストアの購入フローを極限まで簡略化し、Share段階ではSNSでのコーディネート投稿(#ユニクロコーデ)をユーザーが自発的に行う文化を醸成している。2024年現在も「#ユニクロ」関連投稿はInstagram上で数千万件を超え、UGC(ユーザー生成コンテンツ)が新たなAttentionを生み続けるAISASの好循環が機能している。
季節限定商品×SNS共有設計で拡散ループを創出
スターバックスは毎年春・秋に展開する季節限定ドリンク(例:2024年の「桜シリーズ」)においてAISASを高精度で実装している。Attention段階ではInstagram・TikTokへの先行情報リーク的な投稿でバズを誘発。Interest段階では「#スタバ新作」「#スタバ桜」などのハッシュタグ文化を通じて世界観を共有。Search段階では「スタバ 新作 2024 カロリー」「スタバ 桜 いつまで」などの検索ニーズに公式サイトとメディア記事が応答。Action段階ではモバイルオーダーの利便性で購入障壁を排除。Share段階では「映える」カップデザインがそのままSNS投稿のモチベーションとなる設計を徹底している。購入後のシェアが次の購買層のAttentionになるという、AISASの教科書的な事例だ。
副業・個人ビジネスへの活用法
AISASモデルは大企業専用のフレームワークではない。
むしろ、広告予算が限られる副業・個人ビジネスにとって「どこに集中投資するか」を絞り込む羅針盤として機能する。
特に「Search」と「Share」は、お金をかけずとも仕組み次第で強化できる領域だ。
コンテンツSEO・SNSでの情報発信・受講生・購入者からの口コミ誘導を組み合わせることで、個人でも継続的な集客サイクルを構築できる。
- ▶ SNS投稿は「Attention層向け」と「Interest層向け」で発信内容を意識的に使い分け、週3投稿を継続する
- ▶ 自分の商品名・サービス名+「評判」「口コミ」「効果」などのキーワードでブログ記事・note記事を書き、Search段階を自分でカバーする
- ▶ 購入・受講後のサンクスメールに「感想をSNSでシェアしてくれた方に特典プレゼント」など、Share促進の仕掛けを1行添える
- ✕ Action(購入)だけに注力してSearch対策を放置。認知はあるのに「調べたら何もヒットしない」状態で離脱される
- ✕ Shareを「自然発生に任せる」運用。共有の仕組みを意図的に設計しないとUGCはほぼ生まれない
- ✕ 5段階すべてを同時に整備しようとして疲弊。まず「Search」と「Share」の2点から着手し、徐々に拡張するのが正解
AISASモデル を始める前に確認する7項目
- ☐ ターゲット顧客が「どのタイミングで何を検索するか」を20ワード以上リストアップしている
- ☐ Attention層向けコンテンツ(SNS投稿・短尺動画など)を週2回以上発信できている
- ☐ 自分のサービス名+「口コミ・評判・効果」のキーワードで検索可能なページを用意している
- ☐ LP(ランディングページ)または申し込みフォームへの導線がSearch段階と接続されている
- ☐ 購入・受講後にShare(共有)を促す仕掛け(メール・LINE・特典など)を1つ以上設けている
- ☐ 各ステージの数値(リーチ数・LP転換率・口コミ数など)を月次で把握・記録している
- ☐ 最もボトルネックになっているステージを特定し、そこへ改善リソースを集中投下している
次回:DECAXモデル



