【マーケティング手法 No.57】コピーライティング構造(PASONA)── 悩み→共感→行動を設計する日本発の黄金法則

| 難易度★★★☆☆ | 効果の速さ書いたらすぐ | コストほぼゼロ | 副業適合度★★★★★ |
コピーライティング構造(PASONA)とは何か
PASONAとは、マーケティングコンサルタントの神田昌典氏が1990年代後半に提唱した日本語圏向けのセールスコピー設計フレームワークである。
英語圏で広く使われるAIDMAやPASを参考にしつつ、「共感」と「絞り込み」を強化した点が特徴的だ。
名称は6つの要素の頭文字を並べたもの。
P=Problem(問題提起)、A=Affinity(親近感)、S=Solution(解決策)、O=Offer(提案)、N=Narrow down(絞り込み)、A=Action(行動) というフローで構成される。
最大の強みは「読み手が自分ごとだと感じる順序」でメッセージを届けられること。
問題を突きつけて終わりではなく、共感で心を開かせてから解決策を提示する。
このプロセスが購買心理に沿っているため、LPや営業メール、SNS投稿まで幅広く応用できる。
副業・個人ビジネスにとって特に相性がいい理由は、広告費ゼロでも文章の構造だけで成約率を上げられる点だ。
ツールも広告予算も不要。PASONAを理解し、正しく書けるようになるだけで収益は変わる。
PASONAの6要素フレームワーク
| P ── Problem(問題提起)読み手が抱える悩み・課題を言語化して冒頭に提示する。「こんなことで困っていませんか?」と問いかけることで、ページを読み進めるフックになる。 | A ── Affinity(親近感)「私もかつてそうでした」「あなたの気持ちはよくわかります」と共感を示す。売り手と読み手の心理的距離を縮める重要なフェーズ。 |
| S ── Solution(解決策)問題を解決できる手段・考え方を提示する。ここではまだ商品を前面に出さず、「解決策の存在」を伝えるのがポイント。期待感を高める段階。 | O ── Offer(提案)具体的な商品・サービスを提示し、価格・特典・保証などを明示する。「何を・いくらで・どんな条件で提供するか」を余すところなく伝えること。 |
| N ── Narrow down(絞り込み)「この商品は誰でも買えるわけではない」と対象者や期間を限定する。希少性・緊急性を高めることで、先送りを防ぎ行動を促す。 | A ── Action(行動)「今すぐ申し込む」「無料で試す」など、読み手が次に取るべき具体的な行動を明確に指示する。CTAボタンや手順案内も含まれる。 |
💡 補足:神田昌典氏は2014年に改訂版「PASONA3.0」も発表。Narrow downをさらに細分化した設計になっているが、基本の6要素を習得するのが副業では最優先。まず土台を固めよう。
PASONAを使った実践ステップ
PASONAは「誰の悩みに語りかけるか」が全ての起点になる。「副業で月5万円稼ぎたいのに何から始めればいいか分からない30代会社員」のように、ターゲット像を具体的に言語化する。曖昧なままでは問題提起もAffinity(共感)も書けない。ペルソナを1人想定してから筆を動かすこと。
冒頭の3要素は「不安→安心→希望」という感情の流れをつくるパートだ。Problemで問題に共鳴させ、Affinityで「売り手も同じ経験をした仲間」と感じさせ、Solutionで光明を示す。この流れを飛ばして最初からオファーを出すのは最大の失敗。読み手の心が開いていない状態では何を提案しても響かない。
Offerパートで陥りがちなのが「機能の羅列」。「90分×全4回のオンライン講座」という Feature(機能)ではなく、「4回で副業ロードマップが完成し、翌月から発信を開始できる状態になる」というBenefit(便益)で書く。価格・特典・保証も惜しみなく開示することで信頼感が高まる。
「残り3席」「今月末まで」などの絞り込みは、根拠のある制限でなければ読み手に見抜かれ信頼を損なう。定員・時間・対象者など「なぜ今でないといけないか」の理由を必ずセットで書くこと。絞り込みとActionの間には「それでも迷っているあなたへのQ&A」を挟むと成約率がさらに上がる。
企業・個人の活用事例
LPのPASONA再構成で無料体験申込み数が約2倍に
ある国内オンライン英語スクールは、従来の「コース紹介→価格→申込み」という機能訴求型のLPをPASONA構造に書き直した。冒頭を「英語を何年勉強しても話せない理由、知っていますか?」という問題提起に変更し、Affinityに創業者自身の挫折体験を配置。SolutionとOfferには「独自の3ステップ反復メソッド」と「初月全額返金保証」を組み合わせた。Narrow downには「月間受講枠20名限定・月末締め切り」を実際の運営制限と連動させて設置。結果、無料体験レッスン申込み数が改修前比で約2倍に増加した。特にAffinity(共感)の有無が読了率を大きく左右することが分かり、コピー冒頭の感情設計の重要性が社内で認識された事例である。
PASONA構成のnote販売ページで初月から10万円超を達成
副業でWebデザインを教えるフリーランサーが、有料note(3,980円)の販売ページにPASONA構造を適用。Problemに「Canvaを覚えたのに仕事が取れない」という具体的な悩みを配置し、Affinityには自身が副業収入ゼロだった半年間のエピソードを記載。Solutionでは「実績ゼロから案件を取るための提案書テンプレート」という解決策の枠組みを提示し、Offerで初めてnoteの内容と価格を公開した。Narrow downは「購入者限定Discordへの招待は先着50名まで」という特典絞り込みを活用。販売開始から1週間で250部を突破し、初月売上が10万円を超えた。SNSで広まった要因のひとつが「冒頭の問題提起が刺さった」という口コミで、Problem文の精度がSNS拡散力にも直結することを示した事例だ。
副業でのPASONA活用法
副業・個人ビジネスにおいてPASONAが特に力を発揮する場面は3つある。
①ランディングページ(LP)の全体構成、②note・Brain等のコンテンツ販売ページ、③メルマガ・LINE配信の一本一本のメッセージ設計だ。
特にLINE・メルマガへの応用は見落とされがちだが、1通のメッセージをP→A→S→O→N→Aの順に短く書くだけで開封後のクリック率が変わる。
広告費を使わずに稼ぐ副業には「文章で売る力」が最大の武器になる。
- ▶ noteの有料記事販売ページをPASONA6要素の順番通りに書き直す(既存記事でも1時間で改修可能)
- ▶ Xの自己紹介(プロフィール欄)をP→A→Sの3要素だけで構成し、フォローされやすい流れに整える
- ▶ クライアントへの提案メールをO→N→Aで締めくくる構成にして、返信・成約率を測定する
- ✕ Affinityを省略してProblemの直後にSolution・Offerを並べる(信頼構築ゼロのまま売り込む構造になる)
- ✕ Narrow downを「残りわずか」と書くだけで根拠・理由を一切添えない(慣れた読み手には煽りとして逆効果)
- ✕ PASONAを「どこかで聞いた悩み」で埋める(実際のターゲットへのヒアリング・リサーチなしで書くと刺さらない抽象コピーになる)
・実践ワークシート(穴埋め形式)
・副業別カスタマイズ例3パターン
・よくある質問と回答
・コピーライティング構造(PASONA)チェックリスト完全版
コピーライティング構造(PASONA)を始める前に確認する7項目
- ☐ ターゲット(ペルソナ)の具体的な悩みを1文で書き出せている
- ☐ Problemの問いかけが読み手の「自分ごと」として刺さるか確認した
- ☐ Affinity(共感)パートに自分・または第三者の体験談が含まれている
- ☐ SolutionはFeature(機能)ではなくBenefit(便益)ベースで書いている
- ☐ Offerに価格・特典・保証の3点セットが明示されている
- ☐ Narrow downの「限定理由」が読み手に納得感を与えられる内容になっている
- ☐ ActionのCTAが「次に何をすればいいか」を1アクションで明確に指示している
次回:コピーライティング構造(QUEST)


