「みんなも稼ぎたいかー!」その瞬間、私は帰った。副業セミナーの心理操作を解剖する。

会場の3割が即決。私がアフィリエイトセミナーで「逃げた」理由。
Facebookで広告を見かけた。「ちょっと怪しいかも」と思いながらも、どんな手口なのか気になって申し込んだ。会場の1/3がその場で契約した。私は途中で帰った。あの場で何が起きていたか、整理しておきたい。
そもそも最初から引っかかりがあった
MLMや情報商材の勧誘は、普通は知人経由で来る。「いい話があるんだけど」と友人に声をかけられるのが典型的な流れ。それがSNS広告で見知らぬ人を集めているというのが、入口からおかしかった。
それでも「どんな手口を使うのか見てみよう」という気持ちで参加した。
会場に着いてから帰るまで
最初に登壇したのは「成りあがった人たち」だった
有名なアフィリエイターが壇上に立った。見た目は「どう見ても冴えないおじさん」という感じで、それが逆に効いていた。この人が底辺から月収100万を超えるまでの話を語る。続いて、普通の主婦が副業で生活を変えた話。どちらも「特別な才能があったわけじゃない」という文脈で語られる。
代表も出てきて、きらきらした海外旅行やチームのビジョンを語った。このあたりで会場の空気はだいぶ変わっていた。「自分にもできるかもしれない」という気持ちが、参加者の中に育ち始めているのがわかった。
「仲間」の写真が出てきたとき
次に役員らしき人が登場した。参加者と同じ立場から始めたという社員の写真をスライドで見せながら話す。「名古屋支部の営業発表会」「大阪支部の忘年会」「東京支部の勉強会」。全国に仲間がいる、みんな頑張っている、自分も同じ道を歩めるという演出。
「僕も頑張っています」という話の後、会場全体に向かってこう叫んだ。
「おー!」
この瞬間にドン引きして、そそくさと帰った。
後ろのドアに並んだテーブル
帰り際に見えたのだが、会場の後方にテーブルが並んでいた。「契約する方はあちらで」という案内で、3万・5万・9万の3プランが用意されていた。金額によってレベニューシェアの比率が変わる仕組みで、「今日来てくれた方には特別料金をご案内」という文句がついていた。
残った参加者のうち、1/3はその場で契約した。1/3は帰り、1/3は迷っていた。
あの場で何が起きていたか
そしてもう一点。金額によってレベニューが変わる仕組みは、「教材を買う」という体裁でありながら、高いプランを買うほど紹介報酬が増える構造になっている。アフィリエイトの看板を掲げながら、中身はMLMと同じ仕組みだった。
MLMをSNS広告で見知らぬ人に売るというのは、そもそも矛盾している。通常のMLMは「友人・知人ネットワーク」を活用するものだから。その矛盾が最初の違和感の正体だったと、後から気づいた。
「スキルが残るか」という境界線
副業を選ぶときに、一つだけ問いかけてほしいことがある。その作業を1年続けて、他でも使えるスキルが身につくのか。それとも、その組織の中でしか通用しない「勧誘術」だけが残るのか。
本物の副業は、やめた後も自分の中に何かが残る。スキルでも、実績でも、顧客でも。やめた瞬間に収入がゼロになり、手元に何も残らないものは、副業とは呼びにくい。
見抜くためのポイント
あの場で途中退席できたのは、最初から疑いを持って入ったからだと思う。何も知らずに行っていたら、あの熱量と巧みな設計に流されていた可能性は十分あった。知識を持って入ることが、唯一の防御になる。
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